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築地場外市場 食べ歩き5選|早朝から並ぶ価値がある、本物のグルメロードを歩いてきた

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築地場外市場という場所について

2018年に魚市場としての機能が豊洲に移転してから数年が経った。それでも築地場外市場に人が絶えないのは、「買い出しの街」だったころから地に染みついた食のレベルが、そのまま残っているからだろう。

400店以上が集まる場外には、玉子焼きから海鮮丼、ホルモン丼、まぐろ型の和菓子まで、ジャンルを問わないグルメが軒を連ねる。観光地化が進んだとはいえ、老舗の職人気質は本物で、普通の商店街やフードコートとはまるで空気が違う。今回は「食べ歩きに特化した5店」を選んで調査した。

ひとつ注意点がある。築地場外市場では「歩きながら食べる行為」は推奨されておらず、店舗併設のイートインスペースや所定の休憩所での飲食が基本スタイルだ。各店の前や近くに立ち食いスペースが設けられているので、それを使いながら回るのが現実的なルートになる。

今回紹介する5店と食べ歩きルートの概要

今回選んだ5店は、甘い・しょっぱい・肉・海鮮・和菓子とジャンルが被らないよう構成した。全店が徒歩圏内に集まっており、朝9時ごろにスタートして昼前に全店を回りきれる距離感だ。価格は合計2,000〜2,500円前後と、食べ歩きとしては手頃な部類に入る。

  • ① 丸武|玉子焼き 焼き玉200円。大正末期創業、テリー伊藤の実家として有名
  • ② 吉澤商店(銀座吉澤 精肉築地店)|松阪牛メンチカツ 400円。大正創業の名門精肉店
  • ③ きつねや|ホルモン丼 900円。昭和22年創業、70年以上継ぎ足しの秘伝ダレ
  • ④ 築地さのきや|まぐろ焼き 280〜300円。マグロ型のたい焼き。築地にしかない一品
  • ⑤ とんぼや|マグロステーキ串 500〜600円前後。酒と醤油で炙る「肉のようなマグロ」

① 丸武|100年続く玉子焼きの職人技を200円で

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築地の食べ歩きを語るとき、最初に名前が出るのはたいてい玉子焼きだ。その中でも丸武は大正末期の創業で、100年以上の歴史を持つ。演出家・テリー伊藤の実家として広く知られており、テレビで取り上げられる機会も多い。

毎朝3時から職人が焼き始めるというのが、この店の軸にある事実だ。契約農場から毎日直送される「健康たまご」を使い、余分な添加物は一切加えない。秘伝のだしとの組み合わせだけで、あのふっくらとした食感を作り上げている。店頭では焼きたてを一口サイズにカットした「焼き玉(200円)」が食べ歩き用に提供されており、熱々を渡してくれる。

観光客だけでなく、早朝から仕入れに来るプロたちにも長年愛されてきたという事実が、この玉子焼きのレベルを物語っている。

玉子焼 丸武 本店

東京都中央区築地4-10-10

価格帯: 150円〜500円

営業時間・定休日

営業時間は4:00〜14:30(日曜は8:30〜14:00)。定休日は日曜(1月・8月)、祝日、市場休市日。朝4時から開いているため、早起き組には特に向いている。売り切れ前の早朝が最も焼きたてを手に入れやすいタイミングだ。

味の特徴・こんな人に向く

甘めでだしがしっかり効いた王道スタイル。「甘い玉子焼きが好きかどうか」で評価が分かれる一品だが、だしの質と卵の鮮度は明確に一般的な玉子焼きを上回る。焼きたての「焼き玉」は外側が少しだけ香ばしく、中はとろっとした食感の差がある。

最初の一軒として立ち寄るのが向いている。口の中をリセットできる甘さが、その後の食べ歩きに自然につながる。お土産として切り分けた玉子焼きを持ち帰ることもできる。

② 吉澤商店(銀座吉澤 精肉築地店)|松阪牛を400円で食べられる場所

大正13年(1924年)創業の精肉店。銀座では高級すき焼き割烹を営む一方、築地場外市場には精肉の直売店を構えている。日本一の和牛市場である東京食肉市場の仲卸として、雌牛のみを厳選して扱うこだわりが根付いている。

食べ歩き目的であれば、店頭で揚げている「松阪牛メンチカツ(400円)」が圧倒的な人気だ。合挽メンチカツ(250円)との食べ比べをする人も多い。「食べ歩きにどうぞ」と書かれたケースに入っており、その場で食べられる耐熱紙包みで手渡してくれる。

銀座のすき焼き割烹で使われる水準の牛肉を使ったメンチカツが400円で食べられる、という事実は、場外市場ならではの価値だ。

吉澤商店(銀座吉澤 精肉築地店)

東京都中央区築地4-13-15

価格帯: 250円〜400円

営業時間・定休日

営業時間は7:00〜14:00(食べログ上は6:00〜13:00という記載もあり、来店前に確認推奨)。定休日は日曜、祝日、市場休市日。午前中早めに来ると松阪牛メンチカツが確実に手に入りやすい。人気商品は売り切れることがある。

味の特徴・こんな人に向く

衣はザクザクとした食感で、噛むと肉汁がジュワッと出る。脂っぽさやしつこさが少なく、冷めても美味しいという口コミが複数確認できる。ソースが店頭に置かれているが、何もつけずにそのまま食べると肉の旨みをダイレクトに感じられる。

「松阪牛という高級食材をこの価格で食べる」という体験自体がこの店の価値。合挽メンチカツ(250円)と食べ比べると、価格差以上の肉質の違いを感じやすい。

③ きつねや|昭和22年創業、70年以上継ぎ足されてきたホルモン丼

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きつねやのホルモン丼は、築地で「朝から行列ができる一皿」として別格の存在感を持っている。昭和22年(1947年)創業で、現在も当時から継ぎ足してきたタレを使い続けているという。

ホルモン煮はそもそも、店主の祖父・下駄職人が酒の肴として自作したのが始まりだ。当初は串刺しのモツを大鍋の縁に置いて立ち飲みするスタイルだったという。八丁味噌をベースにじっくり煮込んだタレで、牛ホルモンとこんにゃく・大根をとろとろになるまで煮込んでご飯にのせる。それが900円のホルモン丼だ。

ほぼ立ち食いスタイルで回転は速い。朝6時半から開いており、観光客より早く来る地元勢も多い。「築地で一番待ち時間が長い店」という口コミも存在するが、それだけ人が集まる理由がある一皿だ。

きつねや

東京都中央区築地4-9-12

価格帯: 800円〜1,000円

営業時間・定休日

営業時間は6:30〜13:30(ご飯が売り切れ次第終了)。定休日は水曜、日曜、祝日、市場休市日(臨時休業はSNSで告知)。現金払いのみ。予約不可。早朝から並ぶ覚悟があれば回転は速いが、10時以降に行くと売り切れている可能性がある。

味の特徴・こんな人に向く

八丁味噌のコクと甘辛さが際立つ濃いめの味わいで、ご飯との相性が抜群だ。ホルモンはとろとろで臭みはほぼなく、舌の上でほぐれるような柔らかさになっている。半熟卵のトッピングを加えると、味がまろやかになってさらに食べやすくなる。

「朝から丼ものを食べる」という朝型の体験そのものが、ここの魅力だ。観光目的で来る人にも地元の常連にも支持されているが、どちらにも「また来たくなる」という評価が多い。ホルモン系が苦手な人には向かないが、挑戦する価値はある。

④ 築地さのきや|「まぐろ焼き」は築地でしか食べられない

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たい焼きのマグロバージョン、という説明が一番わかりやすい。「さのきや」は2009年開業の比較的新しい店だが、「築地ならではの遊び心」で確実に観光客の心をつかんでいる。

商品はマグロ型の焼き菓子「まぐろ焼き」で、3種類がある。サクサク生地に十勝産小豆の粒あんが入る「本マグロ(280円)」、もちもち生地にあんこ+あんずが入る「中トロ(300円)」、カスタードクリーム入りの「キハダマグロ(300円)」だ。食べても魚の味はしない、完全な和菓子だが、見た目のインパクトは強烈だ。

十勝産小豆を使った餡は無添加で甘さを抑えており、クオリティは一般的なたい焼き以上と評する口コミが多い。「その辺のたい焼きよりかなり上質」という表現が複数の口コミで確認できる。

築地さのきや

東京都中央区築地4-11-9

価格帯: 280円〜330円

営業時間・定休日

営業時間は8:00〜15:00(売り切れ次第終了)。定休日は日曜、祝日、市場休市日。絶えず焼いており、焼きたてが手に入るタイミングを狙って来るのがベストだ。

味の特徴・こんな人に向く

焼きたては外がパリパリで中がふわっとしており、あんこが熱々でみっちり詰まっている。中トロはあんずの酸味が加わり、甘さが単調にならない工夫がある。カスタードのキハダマグロはより洋風な口当たりだ。

食べ歩きの「甘いもの枠」として位置づけると完璧にはまる。しょっぱい系グルメを何品か食べた後に立ち寄るタイミングが特に合う。SNS映えもするため、グループ・カップルの食べ歩きに向く。

⑤ とんぼや|「肉みたいなマグロ」をその場で炙る

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軽トラベースのキッチンカースタイルで、もんぜき通りの一角に構える比較的新しい店だ。看板は「マグロステーキ串」で、目の前で豪快に炙っているシーンが通行人の目を引く。

店主がSNSで語っているのが興味深い。「味の決め手は酒と醤油なんです。酒と醤油が、この肉のようなマグロを作り出していると思うと、作っている本人も驚いているんです」。実際に食べた人の口コミでも「脂がのっていてまるでお肉」「火を通してなお新鮮な感じ」という表現が多く見られる。

築地は海鮮の街だが、「刺身や寿司ではなく炙ったマグロ」という調理法の違いが、食べ歩きグルメとして明確な個性になっている。ビールと合わせたいという声も多く、昼前に訪れた際のサイドドリンクとして機能する。

とんぼや

東京都中央区築地(もんぜき通り)

価格帯: 500円〜700円

営業時間・定休日

営業時間・定休日は変動することがある。キッチンカースタイルのため、公式SNSや現地での確認を推奨する。市場休市日に準じることが多い。混雑時は30分前後の待ち時間が出るという口コミもある。

味の特徴・こんな人に向く

炙った醤油ベースのタレが香ばしく、噛むと思ったよりも「肉感」がある。コショウや七味をかけて食べるとさらに引き締まった味わいになる。新鮮な築地のマグロを別の顔で食べられる体験として、他のどの店とも被らない個性がある。

「刺身・寿司は食べ慣れているが、炙りや串はあまり試したことがない」という人にとって、築地で一番驚きの大きい一品になる可能性がある。食べ歩きルートの締めとして位置づけると、インパクトが残りやすい。

5店舗まとめ|食べ歩きルートと予算の目安

5店を全て回った場合の合計は、最小構成でおよそ1,880〜2,000円程度。以下の順番で回ると、甘い→しょっぱい→ガッツリ→甘い→海鮮という流れで、口の中のバランスが整いやすい。

  • ① 丸武|焼き玉200円。最初に甘いだしの玉子焼きで食欲スイッチを入れる
  • ② 吉澤商店|松阪牛メンチカツ400円。揚げたてのジュワッと感で本気を出す
  • ③ きつねや|ホルモン丼900円。朝食メインの一皿。ガッツリ腹を満たす
  • ④ 築地さのきや|まぐろ焼き280〜300円。甘い休憩。お土産にも向く
  • ⑤ とんぼや|マグロステーキ串500〜600円。締めの一本。驚きで終わる
  • 合計目安|約2,280〜2,400円

築地場外市場を訪れる前に知っておきたいこと

基本的に市場の休市日に準じる店が多いため、水曜・日曜・祝日は定休日の店が増える。土曜は営業店が多いが混雑が激しく、最も快適に回れるのは平日の木・金曜とされている。

9時〜12時の間が食べ歩きに最も向いている時間帯だ。9時以前は仕入れ業者の優先時間で混在しやすく、12時以降は売り切れや閉店が出始める。人気店は早い時間に来るほど確実に目当てのものが手に入る。

最寄り駅は東京メトロ日比谷線「築地駅」(1番または2番出口)または都営大江戸線「築地市場駅」(A1出口)。どちらも徒歩3〜5分圏内だ。

よくある質問(FAQ)

Q. 歩きながら食べてもいいの?

築地場外市場では「歩きながら食べる行為」は推奨されていない。各店舗の店先や近くに立ち食いスペースが設けられていることが多いので、そこで食べるのが基本スタイルだ。ゴミは所定のゴミ箱に捨てるか、自分で持ち帰る。

Q. 外国人観光客が多くて入りにくくない?

近年は外国人観光客の比率が高い。ただし各店とも対応には慣れており、指差しや数字を示せば概ね注文できる。きつねやのように行列があっても回転が速い店も多いので、混雑を見て諦めるより並んでみる方が正解のことが多い。

Q. 現金しか使えない店はある?

きつねやは現金払いのみとの情報がある(来店前に確認推奨)。丸武や吉澤商店はPayPay等の電子決済に対応している店も多いが、念のため現金を手元に用意しておくと安心だ。

免責・調査について

本記事は公開情報および口コミをもとに総合して構成した調査記事です。実際の味や体験には個人差があります。また一部の料理画像は、公開情報や口コミをもとに再現したイメージAI画像です。実際の店舗提供写真とは異なる場合があります。価格・営業時間・定休日は時期により変動します。来店前に各店舗または築地場外市場公式サイトにてご確認ください。

出典・参考リンク

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