押上駅から徒歩5分ほど、スカイツリーから少し歩いた住宅街の一角にある「akim’p(アキンプ)」は、SNSで一躍話題となったプリン専門店です。外観はシンプルで小さな扉を開けると、カウンターと数席のテーブルが並ぶこじんまりとした空間が広がります。静かで落ち着いた雰囲気の中、プリンの香ばしい香りがふんわり漂い、訪れる人を自然とリラックスさせてくれます。派手さはありませんが、上品で丁寧な印象を受けるお店です。
「akim’p」の一番人気は、注文後に目の前で炙って仕上げてくれる“ブリュレプリン”。スタッフの方がテーブルまでプリンを運び、丁寧にバーナーで表面を炙ってくれます。火が当たるたびにカラメルの香りが立ちのぼり、パリッという音が響く瞬間は、思わず見入ってしまうほど。炎は強くはないものの、焦げ目がじわじわと広がっていく様子は見ていて楽しく、スイーツでありながらちょっとした演出のような体験です。
炙り終えたばかりのプリンからは、ほのかに焦げたカラメルの香りが漂います。鼻を近づけると、ほんのりとした苦味を感じさせる香ばしさが印象的。スプーンを入れると薄いブリュレ層が“パリッ”と割れ、その下から濃厚なプリンが現れます。その瞬間からもう期待が高まる。見た目も香りも、シンプルなのに完成度の高さを感じさせます。
プリンの食感はとてもなめらかで、しっかりとした密度があります。口に入れたときのとろけ方は自然で、ふわっと軽いタイプではなく、程よい重みと濃厚さを感じる仕上がり。卵のコクは控えめで、代わりに生クリームのまろやかさが主役の印象です。甘さはしっかりありますが、カラメルのほろ苦さが全体を引き締めてくれるため、最後までバランスよく楽しめます。ひと口ごとにじっくり味わいたくなるタイプのプリンです。
ドリンクはアーモンドミルクを注文しました。プリンの甘さをやさしく包み込むような風味で、まるで余韻を整えるような存在。アーモンドの香ばしさがブリュレの焦げた香りと調和して、後味をすっきりさせてくれます。特別な組み合わせではないのに、思わず「これが正解かも」と思える相性の良さ。飲み終えたあとは甘さが口に残らず、最後まで心地よく過ごせました。
店内はシンプルで、余計な装飾がない落ち着いた空間です。音楽も流れておらず、外の静かな空気がそのまま感じられるような穏やかな雰囲気。席数は10席ほどで、カウンター席とテーブル席が少し。筆者が訪れた平日の雨の日は、他のお客さんも静かにスイーツを楽しんでおり、全体的に“ゆったり時間が流れる”印象でした。大人数で来るよりも、1人や2人で静かに過ごすのにちょうど良いお店です。
訪問時は平日の15時頃で、雨の日ということもあり待ち時間なく入店できましたが、カウンター席とテーブル席の一部はすでに埋まっていました。口コミでは土日や晴れた日の午後は行列になることもあるようです。店内が小さいため回転はゆっくりめ。落ち着いて楽しみたい場合は、平日や雨の日の午後がおすすめです。
「akim’p」ではテイクアウトにも対応しており、店内の味を自宅でも楽しむことができます。季節ごとに登場する限定フレーバーも人気で、桃や黒ごまなど、時期によってラインナップが変わります。SNSでは「限定プリンが出るたびに買いに行く」という投稿も多く、リピーターが多いことがうかがえます。おしゃれな瓶入りプリンなので、手土産にもぴったりです。
「akim’p」は、派手な演出や装飾がなくとも、素材の良さと丁寧な仕上げで印象を残すお店です。目の前で仕上げられるブリュレプリンは、香り・食感・味のどれもがバランスよく、一口ごとに満たされる感覚。押上という観光地の近くにありながら、静かで落ち着いた空間で過ごせるのも魅力です。甘いものをゆっくり味わいたい午後にぴったりの場所。プリンが好きな方なら、一度は訪れてほしい特別なカフェです。
押上駅から徒歩約5分の場所にあり、アクセスは抜群。営業時間は11:00〜18:00で、月曜定休(不定休あり)。支払いはクレカ・交通系IC・QR決済にも対応。店内は10人ほどで満席になる小さな空間のため、休日は早めの時間帯の訪問がおすすめです。